ベンチャー企業とスタートアップの違い
「スタートアップという単語をよく聞くのですが、ベンチャー企業の事ですか?」と尋ねられる事が多い。最近でこそイベントやメディア等にて”スタートアップ関連のXX”の名称で少しずつ使われている呼び名ではあるが、日本ではスタートアップの本来の意味がイマイチ浸透していない。 純粋に新しく出来た会社をスタートアップと呼ぶべきか? それとも、理論的に設立6年以内で従業員50人以下の比較的歴史の浅く小規模な会社を総称するのが良いのか? もしそうであれば、その場合は恐らく日本語でいうところの”ベンチャー企業”とほぼ同じ定義のように思われる。
しかし、実はアメリカで”Startup”と呼ばれるかどうかは、会社の設立年数や規模はあまり関係無い。むしろどんな事をやっているかや、どんなチームで構成されているかを中心に、その存在目的や組織の構成、成長スピード、収益方法、目指すゴール等の内容において一部の特殊なタイプのものをスタートアップ (Startup) と呼ばれる。それ以外の新しい、もしくは小さな会社は単純に中小企業 (スモールビジネス) と認識される。
そして日本でのいわゆるベンチャー企業のそのほとんどはスタートアップというよりもむしろ上記のスモールビジネスに近い。それ故に日本で純粋な意味での”スタートアップ”は非常に少ないと思う。では、スタートアップを構成する幾つかの特殊要素を挙げ、新規企業の総称であるベンチャーとの違いを考えてみたい。