2013年4月22日月曜日

“論理”と“感情”の両面をバランスよく充足しなければ買ってもらえない

商品の特徴に代表される、買う時の“論理”を伝える前に、生活者が買う時の“感情”をクリアすること、すなわち“論理”と“感情”の両面をバランスよく充足しなければ買ってもらえない、ということに気付かずに(気付いているのに、忘れてしまって)プランニングをしている実態をよく見かけます。


http://japan.cnet.com/marketers/sp_integrate/35030963/2/




「論理(商品特徴)」と「感情」のバランスをとるマーケティング

「購入者」の皆さんは、この商品を使用することで、自身も気になっていた白髪ケアができ「若々しく見えそうだ」という「期待感にあふれた感情」がわきあがり、すぐに購入を決めました。一方で、非購入者の方は、より複雑な感情を持ち、それがボトルネックとなって購入に至らなかったのです。

生活者からすれば、商品を使うということは「自身のライフスタイル」の一要素を構成する存在であり、そこには「自身の価値観・信条」と折り合っているかどうかを吟味するプロセスが存在します。そもそもこの「価値観・信条」との折り合いから生まれる「感情」をクリアしない限りは、どんなに「商品の特徴が優れた」商品であっても購入がされにくいのです。私はこの事例に直面して、あらためて思い知らされました。

 では、「論理(商品特徴)」と「感情」のバランスをとるマーケティングとはどういうことなのでしょうか。

 このメーカーでは「論理(商品特徴)」のことをきちんと説明する広告・販促活動はしていたので、それは維持すべきです。ただし、その前に「感情」の部分に対処するマーケティングがどうしても必要になります。

 前述の「恥ずかしい」「潔くない」という「感情」に対処していくために、例えばですが「白髪ケアを始めた(始めたいと思っている)中年男性が増えている」という情報や「白髪の有無が、女性社員の中年男性社員の印象形成に大きく影響している」という情報を出すことが効果的になってくるかもしれません。

 これも別の以前の事例ですが、プロモーションに苦戦していたある高齢者向けのケア商品で「この商品を、みんなもう使っています」ということを訴求するテレビCMを展開したところ、売り上げが急増したというケースがありました。世代を問わず、新しいものをトライアルしてもらうには「周囲がみんなやっている(恥ずかしくない)」という感情を補完することが必要というのは、「日本人共通の“インサイト”」なのかもしれません。

 いずれにせよ、消費者の心を動かしている欲求を理解し、最終的に需要の創造につなげるためには、「論理」「感情」の両面を見据えての情報開発や発信がとても重要ということを日々の業務で強く実感します

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