2013年3月9日土曜日

悩みは他人ではなく自分が作っている


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心理学者のアルバート・エリスによると、僕たち人間の悩みは、何かの出来事によって生じるのではなく、その出来事に対する受けとめ方によって生じます。

そして、その受けとめ方を決めているのが、僕たちのビリーフ(思い込み、信じ込み)です。

ということは、僕たちの悩みをつくっているのは僕たちのビリーフだということになります。

このことをエリス博士は、ABC理論によって説明しました。

僕たちは、自分の人生に起きる出来事(Activating Event)を、自分のビリーフ(Belief)を通して解釈し、その結果(Consequence)として感情や悩みが生じます。
これがABC理論です。

A:出来事(Activating Event)

B:ビリーフ(Belief)

C:結果としての感情や悩み(Consequence)


ある日、A子さんは友だちに声をかけたのですが、その友達から無視をされました。
もしかしたら、その友達から嫌われているのかもしれませんね。

この出来事に対して、A子さんが「人に嫌われるべきではない」というビリーフを持っていたら、その結果として、A子さんは過剰なまでに不安になり、ひどく悩んでしまうでしょう。

なぜなら、起きてはならない出来事が起きたことになるのですから。

また、転職をしたいと思ったB男さんが、そのことを妻に相談したところ、妻が反対をしました。

ここでB男さんが「妻は夫の考えを理解し、協力するべきである」というビリーフを持っていたなら、彼は怒るはずです。
妻が取った言動を、妻としてあるまじき行動だと思うわけですから。

A子さんの強い不安を作ったのは、「友だちから無視をされた」という出来事ではなく、「人に嫌われるべきではない」という、A子さん自身のビリーフです。

B男さんを怒らせたのは、「妻が反対をした」という出来事ではなく、「妻は夫の考えを理解し、協力するべきである」というB男さんのビリーフです。

このような「~であるべき」とか「~であらねばならない」というような融通の利かないビリーフのことを非合理的ビリーフと呼びます。

非合理的ビリーフは、さまざまな悩みや怒りの素になります。

正義感の強い人が、いつも周りの人に対して怒っているのも、「人間は○○であるべきだ」という非合理的ビリーフを持っていることが原因です。

他には
「完全であらねばならない」
「弱いところを人に見せるべきではない」
「相手をがっかりさせるべきではない」
なども非合理的ビリーフです。


もしもA子さんのビリーフが、「人に嫌われないにこしたことはないけど、人間だから好き嫌いもあれば、相性もある」という融通の利くビリーフだったらどうでしょう。
きっとA子さんは、過剰な不安に襲われることはなかったはずです。

また、B男さんのビリーフが、「妻が夫の考えを理解してくれるにこしたことはないが、おたがい違う考え方を持っているのだから、意見が違うことだってある」という柔軟なものだったらどうでしょう。
B男さんは怒ることなく、冷静に妻と話し合えたはずです。


このような、融通の利くビリーフのことを「合理的ビリーフ」と呼びます。

合理的ビリーフの特徴は、柔軟で、ファジー(あいまい)であることです。
車のハンドルにアソビがあるのと似ています。

このファジーさがあるからこそ、思い通りにならない現実に対しても、臨機応変に融通を利かせて対応できるのです。


適度な柔軟さ、ファジーさを持って生きたいものです。

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