2014年2月24日月曜日

世界を「所有の経済」から「共有の経済」に変えられる?–Uniiverseは協力的生き方のプラットホーム

世界を「所有の経済」から「共有の経済」に変えられる?–Uniiverseは協力的生き方のプラットホーム
http://jp.techcrunch.com/2012/02/08/20120207with-funding-in-tow-uniiverse-launches-a-platform-for-collaborative-living/


  • スローガンは“platform for collaborative living” 〔直訳: 協力的な生き方のためのプラットホーム
  • Uniiverseの使命は、誰もが現実生活の中での活動や奉仕を共有できるためのサービスであること、だ。しかも無料の。
  • それはいわゆる“共有経済”(sharing economy)、人と人とが互いに共有しあって生きていくより良い世界、ユートピア的未来を目指す運動のようでもある。
  • このプラットホームの使命は、一人一人みんなを起業家に変えること、またそれと同時に、オフラインの集まりや協力的活動の便宜を提供し、人びとがより賢く、より幸福な生き方ができるようにすることだ。 
  • Uniiverseは、人びとが食う/寝る/仕事するの単調な日常の殻を破って外に出ること、それまでの仮想世界、仮想ゲームなどから醒めて、きびしく照りつける太陽の下に出てくること
  • 2020年代以降はソーシャルレイヤではなくエンゲージメントレイヤが主役になる〔engagement, 参加性, 体(からだ)を張って関わりを持つこと〕。つまり、人と人を仮想世界ではなく現実世界で結びつけるためのサービスや便宜提供が。




世界を「所有の経済」から「共有の経済」に変えられる?–Uniiverseは協力的生き方のプラットホーム

2012年2月8日

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テク業界と呼ばれるエコーチェンバーの中で行われている開発のサイクルには加速度が付いていて、今や独楽のように猛スピードで回転している。ふつうのアメリカ人が“ソーシャル革命”という言葉にやっと慣れてきたころには、テク業界はその全域が“ソーシャル漬け”(またはソーシャルネットワーク漬け)になり、みんなうんざりしている。そこで、今日(米国時間2/7)ロンチするスタートアップUniiverseは、その売り込みコピーの冒頭に“Uniiverseはソーシャルネットワークではありません”、の一句を置いている*。ぼくは二人のCEO Craig FollettとBen Raffiに、次にこのフレーズを書くときは、全文大文字がいいね、とアドバイスした。〔*: Uniiverse, 発音はおそらく‘ユニアイヴァース’。〕
でもUniiverseがソーシャルネットワークでくくられるのを嫌がる理由は、それだけではない。このカナダ生まれのスタートアップは、われわれのオフラインの生活に、新たな価値を導入することを目指すプラットホームだ。Uniiverseにはステータスアップデートもなければ仮想フレンドもない。スローガンは“platform for collaborative living” だ〔直訳: 協力的な生き方のためのプラットホーム〕。これだけではよく分からないと思うが、なにしろUniiverseの使命は、誰もが現実生活の中での活動や奉仕を共有できるためのサービスであること、だ。しかも無料の。それはいわゆる“共有経済”(sharing economy)、人と人とが互いに共有しあって生きていくより良い世界、ユートピア的未来を目指す運動のようでもある。だから共有といっても、ソーシャルメディア上の情報やコンテンツの共有に限定されるものではない。
ユーザは、自分が提供できるものと、それを有料にしたい場合は料金を指定する。日程のあるイベントやサービスなら、日時も指定する。そして利用するほうのユーザは、それらの提供物を見つけたり、申し込んだり、代金を払ったりする。Follettによれば、このプラットホームの使命は、一人一人みんなを起業家に変えること、またそれと同時に、オフラインの集まりや協力的活動の便宜を提供し、人びとがより賢く、より幸福な生き方ができるようにすることだ。 Uniiverseは、人びとが食う/寝る/仕事するの単調な日常の殻を破って外に出ること、それまでの仮想世界、仮想ゲームなどから醒めて、きびしく照りつける太陽の下に出てくることを、望んでいる。
今シリコンバレーとテク業界はビッグデータに入れ込んでいるが、協同ファウンダのBen Raffiは皮肉な問いを投げかける: “それでわれわれの暮らしがもっとソーシャルになるのかい?”。オンラインのデータがふくれあがり、モバイルのアプリケーションやサービスが人の習慣や関心やスケジュール等々を収集する。それによってアプリやサービスはますます個人化され、便利になり、 意外な発見や出会いも提供される。…というのが、今のテク業界の時代精神だ。
もちろんアプリやプラットホームが利用するデータが多くなれば、それらが人について知ってることも多くなり、その人の関心や健康状態やソーシャルグラフまでオンラインで分かるようになれば、デジタル世界のプライバシーはもはや窓から飛び出して四散していく。
Uniiverseの表層にあるものも、必然的にソーシャルなレイヤ(layer, 層)だが、同サイトはそれの次に来るものを見据えている。Follettによれば、2020年代以降はソーシャルレイヤではなくエンゲージメントレイヤが主役になる〔engagement, 参加性, 体(からだ)を張って関わりを持つこと〕。つまり、人と人を仮想世界ではなく現実世界で結びつけるためのサービスや便宜提供が。
言うまでもなく最大の問題は、Craigslistに先例があるように、ユーザ間の信頼関係だ。上で言ったことが皮肉にも自分に跳ね返って来るようだが、この信頼関係を築くためにはUniiverseも人に関するデータを必要とする。言い換えるとこのプラットホームは、ソーシャルな至近性(共通の友人がいる、前に一緒に何かをした、など)、格付け、リビュー、各自の専門領域を超えた参加的協力的関係、などを見せることになる。たとえば、誰かがあなたの電動ドリルを借りたいと言ったら、その人がUniiverseのプラットホームの上で何をホストしている人物かを知りたいだろう。料理の指導をしていてリビューはとても好評、あるいは、毎週あなたの近しい友人の一人とランニングをしている、…なら最高だけど。
Uniiverseは、時間があるので何かに有料で協力したい、という人びとのためのストアでもある。Follettによれば、マーケットプレースとしてのUniiverseは、Craigslistのような古典的な三行広告の世界をぶち破りたい。つまり単純に一方的に欲望…ベビーシッターを見つけたい、など…を満たすための手段ではなく、あくまでも協力/共有関係。そしてAirbnbやSkillshareやZimridesなどなどのような、分野を限定した共有経済でもない。“現状では専門領域や分野などを超えて信頼が伝わる方法がない”、と二人のCEOはこれまでの問題点を指摘する。“そのため、共有経済の真価がまだフルに発揮されていない”。
そこでユーザには、お互いの共有経験を格付けしリビューすることが奨励される。それによって、信頼性のレイヤを加え、オフラインのエンゲージメントの便宜を築いていく。このようにして、Uniiverseは共有経済を満開状態にもっていきたいと考えている。その経済においては、価値が所有にあるのではなく、アクセスと体験にあり、したがって環境にも財政にもコミュニティにとってもポジティブな効果をもたらす運動となる。
ビジネスモデルは、こうだ: 協力/共有の提供者は、それが有料の場合でもサイトの利用は無料(ユーザは額面全額を受け取る)。しかし協力/共有の利用者は、それが有料だった場合にはUniiverseに手数料を払う。今後はその手数料をクレジットカードの処理費用にも充てたい、とFollettは言っている。収益があるということは、サイトの信用や評価や長寿性にもかかわるが、しかしそれでもCEOは、どちらかというと無料のコラボレーション関係を奨励したい、と言っている。
その果敢な目標と、まだ産声すら上げていない収益モデル、その現実化へ向けての第一歩としてUniiverseは、同社が投資家たちに売り込む、「オフラインの奉仕や活動のためのピアツーピアのオンラインマーケットプレース」に、このたび75万ドルのシード資金を獲得した、と発表した。その資金は、製品開発とデザイン、そしてスケール時に必要となるマーケティング費用に充てたい、としている。



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