2013年9月8日日曜日

IT分野は技術単品の追求ではなく「デザイン」の時代

「いつやるか? ちょっと後でしょ!」IT革新の本質 

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0202H_U3A900C1X22000/?df=2

一方でITが成熟した今ではどうだろうか? より成熟した既存のものを組み合わせる新結合が多くなっていないだろうか。ドコモが1999年に商品化した携帯インターネットサービス「iモード」は、1998年に開発された常時接続移動パケット網と既存のマイクロブラウザーの組み合わせである。
 「LINE(ライン)」に代表されるチャット型ソーシャルメディアはワイヤレスブロードバンド、クラウド、スマートフォン(スマホ)の組み合わせの上で成り立っている。このように発明を必ずしも伴わない、組み合わせを陽に意識した「設計起点」の新結合も成功している。
 これからのIT分野は技術単品の追求ではなく「デザイン」の時代に入ったと言える。そこでは環境、農業、流通、医療などの他分野と向き合ってどう新結合を設計するかが問われている。米アマゾン・ドット・コムのネット通信販売サービスは、ITが密接に流通システムと新結合している良い例である。
 このようにイノベーションを組み合わせと考えると、より系統的にそれを創造することができる。環境変化への洞察力、組み合わせを編み出す構想力、各要素の成熟さを見極める技術力が重要となる。
 何と何を組み合わせれば飛躍的価値を生むかを考え続ける。いつその組み合わせが成り立つかを考える。新結合を誰よりも少しだけ早く、半歩だけ早く新結合を世の中に出せる人がイノベーターだ。既存のものの組み合わせである以上、タイミングが重要。一歩遅れると敗者、一歩以上早いと愚者になる。
 二歩早かったIT研究者のぼやきの典型例は、「実はあのサービスのコンセプトは俺のほうが早かったんだよな。10年前には試作してデモ展示もしてたよ」。作りたいサービスの構成要素があと少しでそろうのを見極めたイノベーターならこう言うのではないか。「いつやるか? ちょっと後でしょ!」

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