2013年9月5日木曜日

O2O ミッション コミュニティ

なぜ1本498円の缶ビール500本が1分19秒で即完売したのか?
http://www.advertimes.com/20130430/article109495/2/

(1)お客さんとミッションを共有すると仲間になる
(2)究極の020は「会いにいきたい人がいる」こと
(3)ビールを売るのではなく、新たなビール文化をつくる




(1)お客さんとミッションを共有すると仲間になる

この連載では、ネットショップには「究極の自動販売機」型と「究極の対面販売」型という2つの方向性がある、という前提(第1回参照)で考えてきているわけですが、両者では「お客さん」の位置づけも違ってきます。自販機スタンスの人の一部には、お客さんを「ターゲット(標的)」と呼んだり、「客」と呼び捨てにする人がいます。これに対して、対面販売スタンスの人は、ターゲットや客という表現には違和感を持つ人が多いようです。さらに、「究極」の対面販売型になると、もはや「お客様」「お客さん」という表現すら不要になっていきます。ミッションや想いを共有できてしまったお客さんというのは、もはや「志をともにする仲間」にほかならないからです。
「よなよなエール」さんのケースをビジネスの視点で見ても、このような仲間(常連さん)が多く存在することによって、「毎週製造・毎週販売開始→常連さんが一気に購入→楽天市場ランキング入り(露出増)→新規のお客さんが興味を持つ」という好循環ができているといえます。

(2)究極の020は「会いにいきたい人がいる」こと

「O2O」の位置づけも、2つのスタンスで違いが出ます。自販機型では、「ネットの顧客に割引クーポン等のインセンティブを与えてリアル店舗へ誘導する」という感じでしょうか。先日、ある老舗ネットショップの店長さんが、「『O2O』とか『リアルとネットの融合』とか、そんなカッコいいもんじゃないんだけどね」と笑いながら、「お客さんと仲良くなっていくうちに『リアル店舗に行きたいんですけど』と言われるようになっただけなんだよね」と話してくれました。私たちはこれを「ネットとリアルの混同」と呼ぶことにしています。お客さんとお付き合いするなかでネットとリアルが混じってきただけ、というニュアンスです。
このように、「究極の対面販売」型のO2Oでは、インセンティブは「割引クーポン」のような経済的メリットではなく、「会いに行きたい人がいる」という精神的メリットになります。その対象は、お店の人以外でもよくて、そこにいくと「会いたいお客さん仲間がいる」というのもアリです。

(3)ビールを売るのではなく、新たなビール文化をつくる

「ミッションを共有する」と(1)で書きましたが、このミッションの内容が「売上や利益を伸ばす」だと社外に仲間をつくることはできません。「究極の対面販売」には、一緒に仲間に加わりたくなるような魅力的なミッションが必要不可欠になります。「そんなこと言われても、ミッションなんて思いつかない」という人もいると思います。そんなときは、「よなよなエール」のミッションが参考になります。すなわち、「◯◯文化をつくる」の◯◯のところに自分の仕事や商品を入れてみるのです。たとえば、この連載のミッションは「究極の対面販売型Eコマース文化をつくる」。おぉ、いい感じではないでしょうか。結構しっくりきます。
ちなみに、井手さんの会社では、3年前に求人広告を打っても全然応募がありませんでした。ところが、ここ2年で求人広告の営業マンが「この枠なら50人きたら上出来」という広告で、なんと500人の応募がくるようになりました。以前はありきたりの内容だったのを、大幅に変えたのだといいます。いったいどんなふうに変えたのかというと、こうだそうです。
【ビール文化を変える知的な変わり者募集】
 世の中、個性伸ばしますなんて言ってるけど、実際は出る杭打たれたりしますが、ウチは出る杭めちゃめちゃ伸ばします。それで楽しくやっています。


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